学生団体

中央大学ビジネススクール アジアショッパーインサイト研究会(中村博研究室)

アジアショッパーインサイト研究会(Asia Shopper Insight Institute)は、小売業のDX化の進展とメーカーのブランド対応戦略や流通営業戦略をショッパー視点およびグローバル視点で明らかにしようとする産学研究会です。ショッパーのブランド購買にいたる過程を購買前の瞬間・購買の瞬間・購買後の瞬間に分け、それぞれの瞬間の行動および感情の動きを分析することで、小売業の生産性向上およびブランドの買上率を高めるための理論構築を行っています。

活動内容

1. 研究スタッフおよび会員
・吉井健(2014年3月:中央大学ビジネススクール修了、現・大妻女子大学准教授)
・杉本ゆかり(2015年3月:中央大学ビジネススクール修了、現・跡見学園女子大学兼任講師)
・鈴木一正(2020年3月:中央大学ビジネススクール修了、現・アジアショッパーインサイト研究会)
・中央大学ビジネススクール中村博研究室ゼミ生4名
・食品メーカー14社、小売業5社

2. 研究テーマ
1) 流通におけるDX進展とAI活用戦略
・無人店舗の開発(コストがかからない店舗開発)
・キャッシュレス化の促進とビッグ・データの活用
・ダイナミックプライシング
・レコメンデーション・システム
・AIカメラやビーコンによる購買行動測定
・自動発注と需要予測
・ニューロプライシング、ニューロマーケティングの導入

2) 購買にいたるまでのカスタマー・ジャーニーの実証研究
キャッシュレス化によってSNSデータとID-POSデータが結合する時代。ショッパーの検索・来店・購買が結合し、カスタマー・ジャーニーが明確になる.情報探索から購入・口コミの各段階におけるデジタル・プロモーション戦略やネット広告の把握について検討する


3) ショッパーの意識・無意識の購買:衝動購買が発生するメカニズム研究
 購買は、合理的意思決定よりも情緒的意思決定によりなされる。その典型的な購買が衝動購買である「思わず買ってしまう」メカニズムについて実証研究を行う

4) 生活習慣病をもつショッパーの購買行動の把握
 生活習慣病(例えば、高血圧4300万人、糖尿病患者1000万人など)の消費者の購買行動の把握と販売戦略について検討する

最近の研究成果
▶︎ 中村博、村上雅弘、堀合洋介,
「カスタマー・ジャーニーSNSとID-POSデータの結合によるカスタマー・ジャーニの把握の試み」,流通情報, No.539,公益財団法人流通経済研究所 6-18. 2019年7月
SNSと店舗のID-POSデータが結合することを想定し、その意義や実際のデータの紹介を行っている。実証データとして、レシピサイトのクックパッドと量販店のカードデータのIDを紐づけして、検索と購買の実証的な分析を行った結果、SNSを購買前に検索、あるいは店内で検索している可能性が示唆され、プロモーション等の示唆につながることが明らかになった.

▶︎ 中村博,鈴木一正,
「コロナ禍で加速するネット通販」
流通情報,No.547, 公益財団法人流通経済研究所,46-56.2020年11月
ホームスキャンデータを利用して、コロナ禍で小売業の業績の状況およびそのなかでもネット通販がどの程度成長しているか、予測を含めて企業別に分析している。その結果、食品などの最寄り品のネット通販の普及率は50%を超えると予測されることや、リアルとネットで購買の使い分けがなされていることが明らかになった。

▶︎ 杉本ゆかり、中村博,
「診療所の受診先選択に関する慢性疾患患者の意思決定プロセス」 医療と社会,Vol.30 No.3 2020, 公益財団法人医療科学研究所,305‐319.2020年12月(査読あり)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iken/advpub/0/advpub_2020.003/_article/-char/ja/
診療所を受診する基礎疾患をもつ患者(糖尿病や高血圧など)が診療所をどのような要因で選択し、どのような要因で継続するかをデプス・インタビューおよびGTAの手法を用いて分析した論文。初回診療は合理的な判断で、継続受診は情緒的な意思決定が行われていることがあきらかになった.

団体概要

団体名 中央大学ビジネススクール アジアショッパーインサイト研究会(中村博研究室)
活動場所 東京都文京区 中央大学後楽園キャンパスなど
HP https://asi-inst.org/#top

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